神社仏閣、お茶の席や式場、旅館などで見かけることも多いお馴染みのものですね。
ひな人形用としては、どのような毛氈をお使いいただいても全く構いませんが、人形店でひな人形用のものとして売られている商品には次のような特徴があります。
1)繧繝(うんげん)がついている
繧繝縁(うんげんべり)というのが正式な名前のようです。
歴史的に、天皇・皇后・皇太后・太皇太后・上皇のみに用いられた格式の高い
畳の縁とされています。
沿革的にお雛様は宮中をモデルにしたものですので、
毛氈もお雛様用には繧繝がついているのが一般的です。
他の用途にも使いたいなど、繧繝が無い方が欲しいという場合もあると思います。
大抵のお店で繧繝なしのものも扱ってますので、店員さんに聞いてみてください。
(たくさん注文があるものではないので取り寄せになるかもしれませんが)
2)下敷用と上掛け用の2種類あります。
下敷用は床などに敷いて、その上に雛壇や台を置く用途向けのものです。
上掛け用は雛壇や台の上に掛けてから、その上に飾りやお人形を
飾り付けていくためのものです。
ただ、台によってはそういったものが不要なように畳敷きにしてあったりしますので
それぞれの台の仕様に合わせて、必要に応じて使って下さい。
3)フェルトとメルトン
メルトンは下敷用、フェルトは上掛け用と書いてあることが多いですが、
あくまでも目安であって、自由に選択してもらっていいと思います。
メルトンはアクリルなどの化繊で薄手です。使い勝手がよくて価格もお手頃です。
フェルトは羊毛。人形用としては混紡のものが多いと思います。
厚手で毛が立ちますのでメルトンと比べてモコモコ感があります。
一方で価格が高く、物にもよりますが、メルトンと比較して2〜5倍ほどします。
4)号数の見かた
たいていは「〇〇号△段」の形で表記されていると思います。
20号から5刻みで45号までというのが一般的でしょうか。
号数に3を掛けた数字が、雛壇や台の間口幅の推奨サイズになります。
例えば25号3段なら幅75cm前後の3段飾り用ということになります。
(お雛様関係は「寸」が単位になってることが多いです。)
実際の寸法は号数×3の数字より1〜2割増しくらいの余裕があります。
例えば当店で扱っている25号の場合で間口は90cmあります。
注意しなければならないのは段飾りの場合です。
各段の奥行きや高さはそれぞれの台によって異なりますので、
新しく買う場合はもちろん、買い換えるときでも、事前にきちんと寸法を測り、
適切な大きさのものを選ぶようにして下さい。
以上、ご参考になれば幸いです。